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2015年9月5日_No Museum, No Life?
国立近代美術館で↑この展覧会を観てきました。一部を除いて撮影OK。美術と美術館について深く考察できる、とてもすばらしい展示でした。と、コレに絡んで、例のエンブレム問題の続報があまりにも他人事でなくなってしまったので、意見を述べます。そもそもデザインも写真も他力本願というか、人のふんどしで相撲をとるみたいなところがあるという大前提が、まずあります。人物写真を撮ればその人が着てるシャツは誰かがデザインしたものだし、文字を使ってレイアウトすればそのフォントは誰かがデザインしたフォント。これって引用?パクリ?と常に気にしながら仕事をしているわけです。そんな私の仕事は毎回かなりスレスレです。そのスレスレがOKかNGかの判断はクライアント次第。「だってそうじゃないと仕事していけないもの!」と思ったデザイナーはたくさんいるはず。そんな大前提があるにもかかわらず「私はパクリをやってません」なんて堂々と言えるデザイナーがいたら、相当うさん臭い。あのベルギーの人だって「あなたもやってるでしょ」って言われたらグウの音も出ないと思うのですが…。だいたい「俺の作品パクってる」って騒ぐ人程たいした作品作ってなかったりするのよね。「こんな時代だからパクリと思われない作品を作るべき」という意見もあったけど、なんだか「これはCM上の演出です。真似しないでください」という注意書きをCMで見る度に感じる不自由感をここでも感じます。もう自由にモノを作れる時代は終わったのでしょうか。
もう一つ、佐野氏や審査員が説明責任を果たして無い件について「どうせ一般人に話しても理解されない」という高飛車な態度に見える、という意見。確かにそうかもしれないけど一般人側も「どうせ聞いても理解出来ない」と思っているのも事実。結局わかりあえない。そんなことは私が学生の頃から感じていたジレンマなのですが…。
デュシャンも昔「便器パクってる」と言われたのかしら?亀倉雄策先生に「1964年のエンブレムは日の丸パクってる」って誰も言わないのはなぜなんでしょうね。 |
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