2020年12月30日_STARS展と三島由起夫のこと
コロナ禍の2020年、大きな変革として美術館は予約制を導入。美術館は気軽にふらりと立ち寄る場所ではなくなった。まあ映画館も随分前から予約制になっていたしね…。これくらい大規模展示になると「今日は観るぞー」と覚悟を決める必要(体力的なことなど)があるので丁度良いのかもしれない。
やっと観に行けたSTARS展は←これが目玉。杉本博司のmy favorite thingsを集めた映像と言葉。特に大自然の動画は「コヤニスカッツィ」を思い起こさせる。江之浦測候所いいですな。行ってみたいけど、交通手段(車)・まとまった時間・心の余裕など、足りないものを揃えられるのはいつの日か。
手前に写ってるのは隕石。STARS展の最後でしたので…。
ところで、すっかり忘れてたけど今年は三島由起夫が死んで50年目だったのだ。「なーんだそれで春にこんな映画やってたのか」と11月25日(命日)に思い出して「やはり観ておくべき」ということに。
あの三島が動いてしゃべってる映像なんて、あの市ヶ谷のアレ以外に観たことがなかったので「あーこんな風に笑ったり冗談言ったりするんだね」という「好きだったアイドルの知らなかった素顔」感満載でした。TBSは、なんで今までこんな映像を隠し持っていたのか。そして右翼対左翼ではなく「実は共通の敵があった」という結末にも納得。
あーそういえば今年の初めに森村泰昌がアレをやっていたのも……。
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2020年10月31日_沈黙サイレンス
キリスト教に興味はないけれど信仰そして宗教に関心があり、スコセッシ監督の映画をツタヤで借りて観たら大変面白かったので原作本も読んでみた。ここで魅力的なのはキチジロー。いや魅力的なんかじゃない。こんな人間にはなりたくない。踏み絵を踏んでも懺悔しに戻って来る。しかも何度も。裏切ってはまた許してくれと言って戻ってくる。何を考えてるか判らない。憎まれて当然なんだけど、私も同じかもと思ってしまう。むしろ踏み絵を踏まずに死んでいった人たちのほうが「あなたが踏まないなら私も踏まない」的な日本人らしい仲間意識が見え隠れするけど、死にたくないから踏むという信念を貫いているという意味ではキチジローは日本人らしくない。そういうとこか。
ところで踏み絵って日本以外の国にもあるの?それこそ観念的というか形式にこだわる日本ならではの弾圧方法なのではないか?そんなことで人の心を推し量るなんてね。バチカンの人たちは「えーと踏んだから何だっていうの?」とか言いそう。
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2020年9月27日_宮島達男と杉本博司
今、六本木の森美術館で現代美術のスターが集まる展示をやっているけども、まだ観てない。最近の展示は値段がお高いので、行くか行くまいか迷っていたら今朝の日曜美術館でやってた。コレは観なきゃダメなヤツだと思った。あの六人の中で、私が特に観たいのがこの二人なのであった。二人とも死について考える作品を作っているので…。
というわけで、これに先立って千葉市美術館にて宮島達男展を観て来ました。「敬愛する作家」として選んだうちの一人が河原温だったりして「あっ数字つながりね」とニヤリとしてみたり。←千葉だからアキバを誘ってみた。全然顔が映ってないけども。こんなコロナ禍なのに来てくれてありがとう。
そして、2016年の杉本博司ロストヒューマン展のことを思い出し「すごく良い展示だったのに図録を買わなかったのはなんでだっけ」と考えた。重くて持って帰るのに難儀だからだ。最近はもうネットでなんでも観れるし「図録とかいらないよね」と思ったけれど、あの展示はココ何年か観た中で一番好きだったので「今からでも買えないか」と探してネットで購入。960円も送料を払って←来たらこんなだった。「乱丁本?」と思いきや、これはいわゆる広開本ってやつですね。それにしても背もカバーもなくていいのか。まあでも、展示も廃墟空間でしたしね、退廃的なイメージってことでこうなったのか。さて、もうちょっと涼しくなったら森美術館にも行かねば。
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2020年8月8日_1998年旅の思い出
いわゆる断捨裏のため、スーツケースを粗大ゴミに出す準備をしていたらこんなものが出て来た!
X線セフティケース!もう使わない…。燃えないゴミかしら。証明写真は、旅先で万が一パスポートを無くした時などに使えるので持っていくべしと「地球の歩き方」に書いてあったのだ。20代後半のワタクシ。まだ何かに使えるかしら。
1998年12月4日はドイツから帰国する日。フランクフルト中央駅から空港駅まで買った地下鉄のチケット。ユーロになる直前だったので、まだ3.00ドイツマルク。
とにかくいろんなことが懐かしい!
ただそれだけです。
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2020年7月12日_安定/不安
先月から映画館は再開していたけど特に観たい映画が無くてね…。しかしついに映画館に来ましたよ。市松模様状の座席配置はかなりいい感じ。もうずっとコレでいきましょうよ。隣に誰も座らないと判っているからこそ映画に没入できる安心感!それなのに観てる映画は「アングスト/不安」。
1983年の邦題は女性週刊誌的な興味を誘うものでしたが、実際の内容は主人公の精神疾患的内面を丁寧に説明しようとしている実直さが感じられました。映像もリプチンスキらしく特殊技術を駆使していて楽しめました。とにかく見終わった後ソーセージが食べたくなる…。
「『コロナ禍で不安定で』というけれど、じゃあコロナ以前は安定してた?」と言ってたのは五味太郎さん。おっしゃる通り。人生は不安の連続なのだ。
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2020年5月7日_いわゆるstay home
あれから1か月。いよいよ外食自粛となり、西荻の美味しいお店が次々とテイクアウト販売を始めました。「端から順に全部食べてみたい」と思うくらいみんな美味しそうだったので、吟味厳選しココに並べてみました。←コンビーフは、前からテイクアウトでしたがテレビで紹介されてから品薄になっていたのをたまたま購入できたので嬉しくて、ご飯にのせてみたものです。
フランクフルトの手作りコンビーフ。松庵文庫のお米御膳弁当。オルガンの前菜メインディッシュ詰め合わせ。ハンサム食堂のパッタイ。全て美味しゅうございました。西荻は美味しいお店が多くてありがたいのでございます。
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2020年4月4日_共感至上主義祭り
世の中自粛ムードですね。人混みを避けるのはいつもと変わらず。そもそもワタクシの行く所に人混みなどありませんわ。と言いたいくらい空いてる映画館で観た「ミッドサマー」。ディレクターズカットも観て「やっぱボカシ無しはいいね」と再確認。長いものにはまかれない。朱に交わっても染まらない私のような人間はホルガ村では抹殺されますね。最後には笑っちゃう怖さを堪能できるホラーでした。
そして同種のカルト映画「チャーリーセズ、マンソンの女たち」も、やっとレンタルで観れました。こちらはもっと笑っちゃう、オウム的な怖さ。「アメリカでは死刑を撤廃したからこそ終身刑の人にこうやって再教育を施すのね」と別な所に関心する。
外出するのにマスクつけてないと人でなしと思われるのが嫌だから仕方なくマスクする…。そんな日本も負けてないくらい共感至上主義国なのでした。
←巷で話題のコレ。オリジナル版は品切れで入手できず。そもそもオリジナルってなんだ?いろいろと興味深い事が書いてあるんだけど、この失敗したコピー感が会社の社内資料を思い出させてすっかり読む気をなくさせるのは一体なんなのか?読む気がしないけど頑張って読んでみました。
「もういいかげんパクリパクリって騒ぐのやめない?」ってことだと思うのですが、確かにおっしゃる通り。「私はパクリはやってません」なんて堂々と言える気がしないよ私だって。でも悪質なやつを黙って見てるのも納得がいかないのよね。これもまた共感至上主義者に牛耳られているからなのかもしれぬ。
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2020年2月23日_エゴオブスクラ
森村泰昌展、今回のテーマは三島由紀夫!(だけじゃないけど)となったら観に行くでしょ。そしてレクチャーパフォーマンスも観るでしょ。というわけで今年12月で閉館予定の原美術館へ。
うれしいことに今回の元ネタは細江英公撮影の薔薇刑。←私が持っているのは1984年の粟津潔装丁のやつです。今こそ10代の私を誉めてやりたい。この写真集を所蔵している事を誇りに思いながら鑑賞。三島が一番カッコよく写っている写真だよねえ。
森村が語る三島事件について。「…あの頃19歳だった私に『おまえは決起しているのか?』と問われているような気がした…」「ハイ私もです」と言いたいところですが私は当時2歳…。けれども後に知ったその死に様に、今も心を揺さぶられ続けているのです。
そして「盾の会」の制服を着て檄文を読むパフォーマンス映像。しかし頭に巻かれた鉢巻きには「七転八起」…。ああもうこの人は根っからの関西人で、真面目なのかふざけているのか、ちっともよくわからない所が面白いのだった。
もう一つ、マッカーサーと昭和天皇のあの写真を「新郎新婦」と表現しているのが面白かった。これからも森村についていきます。
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2020年2月9日_iPhoneの歩数計
今頃気がついた事ですが、私のiPhoneさんは知らぬ間に私が歩いた歩数を毎日数えていらっしゃるのでした。しかも昨年4月から。てことは新しいiPhoneになってからということか。頼んでないのに私の健康管理をしてくれてる。頼んでないのに。
以前、処方箋薬局でお薬手帳を管理するアプリをオススメされたけど「そんなこと言っても管理する側の人間がちゃんとしてないからな」とか思って断った。でも知らぬ間に管理されている。ターミネーターの世界はもうすぐなのか。
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2020年1月19日_人間疲れ
ついに2020年になってしまった!「こんな年齢まで生きると思ってなかった」っていう話は前にも書きました。
最近は健康診断の一環でストレスチェックなんてものをやらされたりします。「近頃、死について考えることがある。5段階で答えなさい」とかよくある質問にも「近頃どころか子供の頃から死について毎日考えてますけど」なんて答えたくなる。まあそれくらい小さい頃から人間嫌いだったわけで、だからこそ人間に疲れてしまうのです。
まずは猫に癒しを求めます。別に猫じゃなくてもモフモフならいいんじゃないかと思って毛を採集してみたりして…。
私の収集癖はあの2011年の地震以来、考え方が変わってきました。モノにお金を費やしても棺桶にまで持っていけないので、なるべく「体験」にお金を使うべき。と誰かが言っていたので。
というわけで昨年観に行った舞台やら映画やら、この日記に書ききれなかった事について。
存在すら知らなかったけど、facebookさんが「あなたコレ好きかも」みたいな感じでオススメしてくれたパパイオアヌー。ダンスというより動く絵画。素晴らしかった。
他にも勅使河原三郎KARAS、クラフトワーク、ローザス、ブルーマン、NODAMAP「Q」、イエローマジックショーなど。映画ではファーストマン、シュバルの理想郷。あと、初めて観たスパイクリー作品「ブラッククランズマン」面白かった。笑える人権問題。こういう社会派は大好きだ。
「ドクタースリープ」を観る前に予習として「シャイニング」ついでに「カッコーの巣の上で」をレンタルで。どちらも昔観たやつなので復習かも。
スティーブンキングで好きな作品は「グリーンマイル」。魔法1割、現実9割のバランスが良いのだけどドクタースリープは魔法使い過ぎな感じ。なんでも魔法で解決しやがって。でもキューブリックへのオマージュとして作りたかったのがよく判る。やはりジャックニコルソンの魅力にはかなわない。←これ一番好きな顔。
それにしても人間疲れを癒すのに人間を観に行くなんておかしな話なのだ。
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