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2018年4月8日_青野文昭展とその図録
昨年9月に吉祥寺で観たこの展示は本当に素晴らしかった。そもそも青野文昭という造形作家の存在はそれまで全く知らなかった。
“「修復」をテーマに「壊れたもの」を拾い集め、その欠損部分を自らの知識と想像力によって「なおす」というスタイルで制作・発表をしている。”という、チラシに書かれた文章に惹かれて観に行ったのでした。
今頃になって図録が届いたので改めて確認してみるが、この面白さは写真ではなかなか伝わりづらい。図録の完成が大幅に遅れたのはそのせいなのか?
←このタンスで囲まれたお部屋の内部は、他人の家のにおいが染み付いていることもあり、モノから人の存在を強く感じる不思議空間であった。カッコ良くもなければおしゃれでもないこの空間に、なぜ魅力を感じるのか。自問自答を続けている。
そして、図録に書かれた保坂和志氏の文章がまた面白くて、さらに打ちのめされる。保坂氏の書籍はウチにも何冊かあったはず、と本棚を漁ってみる。保坂氏もまた「何が面白いのか」うまく表現できないけれど、私が面白いと感じている作家のひとりであった。
図録の文章は、青野展とは全く関係無いようでいて実は同じことを言っていると感じる。ここに書かれた「残響」という本も読んでみたくなった。「この人の閾」は持ってなかったっけ。また本棚を漁る。そして書店へ走るのであった。 |
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